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文書作成日:2018/05/15

時間単位の年次有給休暇を導入する際の手順

 労働基準法では、勤続年数等に従い、一定の年次有給休暇(以下、「年休」という)を付与することを企業に義務付けています。年休の本来の目的は、1日労働から解放されることにより心身のリフレッシュ等に利用することが想定されており、そもそも時間単位での付与は想定されていませんでした。一方で、働き方が多様化し、育児や介護などと仕事を両立する従業員が増加したことにより、平成22年4月より時間単位での取得も認められるようになりました。そこで時間単位年休を導入するときの手順について確認します。

1.取得できる対象範囲の決定
 時間単位年休は一部の従業員を対象から除外することが可能です。例えば製造業のラインで働いていることから、決まった時間帯に一斉に業務を行う必要がある場合など、事業の運営上一部の従業員を対象外とする必要があるときは、あらかじめ取得できる対象となる従業員の範囲を決めておきます。なお、取得目的などによって対象範囲を決めることはできません。

2.取得できる最小取得単位時間の決定
 時間単位年休の最小単位は1時間とされており、それ未満の時間を設定することはできません。一方、2時間単位など1時間を超える時間を単位とすることは可能です。自社にあった単位時間を定めます。

3.時間単位年休の日数の決定
 時間単位で取得できる年休の上限は法律で1年に5日が限度とされています。そのため、1年当たりの時間単位年休の日数を5日以内で決定します。時間単位年休の年休も、残った時間については、日単位での年休と同様に翌年へ繰り越すことができますが、次年度における時間単位年休の日数は繰り越し分も含んで5日以内となります。

4.時間単位年休1日あたりの時間数の決定
 時間単位年休の1日あたりの時間数は、所定労働時間数を基に決定します。この際、1日の所定労働時間に1時間未満の端数がある場合は、1日単位で1時間単位に切り上げることになっています。そのため、所定労働時間が7時間30分の場合、時間単位年休の1日あたりの時間数は8時間となります。

 時間単位年休を導入するためには、1〜4の内容を決定したうえで、就業規則に時間単位年休について規定し、これらの内容を盛り込んだ労使協定を締結する必要があります。なお、この労使協定は労働基準監督署への届出義務はありません。これらの就業規則および労使協定の整備を進めるとともに、日単位と時間単位それぞれについて取得数と残数を分かりやすく管理する方法を事前に検討しておくことも重要です。

■参考リンク
厚生労働省「労働基準法が改正されました」


※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。




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