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文書作成日:2017/10/17

法定休暇の前倒し付与等の検討を求める労働関係法の指針の改正

 平成29年6月9日に「規制改革実施計画」が閣議決定され、この計画の中に「転職して不利にならない仕組みづくり」として、「法定休暇付与の早期化」が盛り込まれました。これを受けて、労働時間等設定改善指針および育児・介護休業法の指針(※)が改正され、平成29年10月1日より適用されています。この指針は、あくまで企業に検討を求めるもので措置義務ではありませんが、どのような内容が変更されたのかを確認しておきましょう。

 今回の指針の中で、配慮や検討が求められているものは以下の4点になります。

1.地域の実情に応じ、労働者が子どもの学校休業日や地域のイベント等に合わせて年次有給休暇(以下、「年休」という)を取得できるよう配慮すること
 これは、子どもの学校休業日や地域のお祭り、イベント等に合わせて従業員が年休を取得できるように配慮を求めるものになります。また、平成30年4月から、キッズウィークがスタートすることから、分散化された子どもの学校休業日に合わせて子供たちの親を含め、従業員が年休を取得できるようにしていくことが求められています。

2.公民権の行使又は公の職務の執行をする労働者について、公民としての権利を行使し、又は公の職務を執行する労働者のための休暇制度等を設けることについて検討すること
 労働基準法では、従業員が就業時間中に、選挙権の行使や裁判所からの証人としての呼び出し等、公民権の行使又は公の職務を執行するために必要な時間を請求した場合に、会社は拒んではならない旨が規定されています。そして今回の指針では、この公民権の行使又は公の職務を執行する従業員のための休暇制度等を設けることについて検討を求めています。

3.仕事と生活の調和や、労働者が転職により不利にならないようにする観点から、雇入れ後初めて年休を付与するまでの継続勤務期間を短縮すること、年休の最大付与日数に達するまでの継続勤務期間を短縮すること等について、事業場の実情を踏まえ検討すること
 労働基準法上、年休は入社6ヶ月後に8割以上出勤した場合に10日が付与され、その後、1年を経過するごとに日数が増え、入社6年6ヶ月後に最大付与日数の20日となります。今回、検討が求められていることは、仕事と生活の調和や、労働者が転職により不利にならないようにする観点から、雇入れ後初めて年休を付与するまでの継続勤務期間や年休の最大付与日数に達するまでの継続勤務期間を短縮すること等が挙げられています。

4.子の看護休暇および介護休暇について、労使協定の締結をする場合であっても、事業所の雇用管理に伴う負担との調和を勘案し、当該事業主に引き続き雇用された期間が短い労働者であっても、一定の日数については、子の看護休暇および介護休暇の取得ができるようにすることが望ましいものであることに配慮すること
 育児・介護休業法上、子の看護休暇および介護休暇は、労使協定を締結することにより入社6ヶ月未満の従業員を取得対象者から除外することができます。今回の指針では、労使協定を締結する場合であっても、入社6ヶ月未満の従業員が一定の日数を取得できるようにすることが望ましく、これに対する配慮が求められています。

 このような動きがあることをふまえ、会社としてどのような対応をしていくのか、この機会に検討してみてはいかがでしょうか。

※子の養育又は家族の介護を行い、又は行うこととなる労働者の職業生活と家庭生活との両立が図られるようにするために事業主が講ずべき措置に関する指針


■参考リンク
厚生労働省「労働時間等見直しガイドライン(労働時間等設定改善指針)」
首相官邸「大人と子供が向き合い休み方改革を進めるための「キッズウィーク」総合推進会議」


※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。




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